2015/9/17 Co.山田うん「舞踊奇想曲 モナカ」@KAAT大スタジオ
熱を出して寝込んでしまい、書くのがすっかり遅くなってしまった…。しかも、直後に書いた感想メモがすごく断片的。1週間が経って振り返る今、公演の記憶は時系列ではなく、チラシにあった"層"みたいに折り重なり並行して思い出される。うまくいくか分からないけど、その記憶の地層から、感じたことを改めて一つずつ取り出してみたいと思います。
見に行くと決めたわけ
山田うんさん、なんか印象に残る名前だなぁ。と思ったのが最初で、その後名前は見かけていたものの、実際に公演を見たことがありませんでした。気になってTwitterでフォローしていたところ、新作公演の情報をつぶやいていらしたのですぐに予約。どんなダンスなのか全く知らずに行ってきました。16人もダンサーが出る作品なんて!
Co.山田うん、目が離せない群舞。
とにかく、とても楽しかったです!ダンス見るって楽しいよね。60分、あっという間に終わりました。
全体を通して、時間の層を重ねてゆく輪唱みたいな群舞に見入ってしまいました。押し寄せるように、次々と驚きが起こり、その次の瞬間に何が待っているのかと期待してしまう。その感覚にやみつきになってしまいそう。私は大勢のダンスを見慣れていないけど、構成が素晴らしくて、見づらい感じが全くしなかったのが良かったです。
舞台の上の16人を見ていると、個と秩序、そんな言葉がうかびました。全体でまとまってはいない。でも、秩序がある。ひとりひとりが意志を持ち、自分を、まわりを信じている感じ。関わっているようで、関わっていないようで、やはり関わっている。うまく表現できないけれど、そんな関係性に強い魅力を感じました。
受けた印象は、人よりもかしこい動物、みたいな感じ。受け入れている、知っている、たしかめる、といったようなイメージ。時間がテーマだからかな。ダンサーたちは、いまここにある身体、いまここにいる場所をたしかめながら、その場で次元を上げていくよう。
バターンと倒れたりドタドタと走ったり、重力を感じる振付も多かった。男性が輪になって走るところは迫力!ソロやデュオも良かった。ダンサーの筋肉を感じる振付と重力を感じる振付、どちらも面白かったです。群舞のなか1人で踊るところなども含め、ダンサー個々の持ち味も大事にされているように感じた。丁寧に一人ひとり見て振り付けているんだろうなぁ。
あ、あと忘れちゃいけないのが音!音がかっこよかった!!!音と、次々に驚きの起こる群舞が、たたみかけてくる感じがたまらない。音楽と、ダンスと、自分の、うねるような一体感がとても良かったです。こんな作品を考え出せることもすごいけど、実際にダンサーたちと形にできるということが、本当にすごい!
今回の公演で受けた様々な印象から、山田うんさんって素敵な人なんだろうなーと思いました。
おわりに
全体的に明るくエネルギッシュで、元気の出る公演でした!安保法案の件で暗い気持ちのまま行ったので、私にとってはそれがとても良かったです。皆が一様に考えることを強制し違うものを排するのではなく、個の考えがありながらも秩序を保つことができる。そんな有機的な社会を、前向きに考えていけたらいいよなぁ。
最後に、後悔したことが、一つだけ…。16人出ると分かっていながら、ダンスはなるべく前の方の席で見たいという意識がはたらいてしまい、座ったのは2列目。しかし群舞が面白かったので、もっと舞台全体を見渡せる席で見ればよかったと思った。うう、反省。。。
とても言葉にするのが難しかったんだけど、これを書き終えたあとに感想まとめを見たら、こんなふうに言葉にできるなんて…と思った表現がたくさんだった。他の人がどう感じたか、どう表現しているかも面白い!
覚書:山田うんさん
Twitter Un Yamada (@uncoubou) カンパニー: Co.山田うん (@CoYamadaUn)
映像