分からないけど、面白い。

コンテンポラリーダンスを見るひと初心者のブログ

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2015/8/11 勅使河原三郎 「私は2才」 @カラス・アパラタス

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今まで見た中で、一番と言えるかもしれないくらい素晴らしい公演でした!!!至近距離だったこともあり、かなり興奮しました。素晴らしかった!!この感動は書き留めておくべき、と書き始めたものの、その素晴らしさはやはり記憶と心の中。文章にするって難しいですね。

見に行くと決めたわけ

有名なダンサーとして名前は知っていて、いつか見に行かなければと思っていた勅使河原三郎さん。予算も限られているので、行くかどうかかなり悩んでいたのですが… 乗越たかおさんがこう↓つぶやいていらしたので、これは行かないわけにはいかないっ!!! というわけで予定を調整して速攻で予約、最終日にすべり込みました。

初めての、勅使川原三郎さん体験。

カラス・アパラタスは、勅使河原三郎さんのカンパニーであるカラスのための、 スタジオと舞台が一体になったスペースです。待合スペース、地下のスタジオはアロマのいい香り。 過去の公演のポスターや写真などが飾ってありました。そして、地下2階の会場へ。 少しはじのほうだけど、最前列の席に陣取りました!

暗い中、少しずつ目が慣れるとともに高まる期待。 なんと最初はマンボから!暗闇から勅使河原さんがあらわれる、 たゆたう身体。か、か、かっこいい!!! あまりにかっこよくて鼻血が出そうなくらいかっこいい!!そして美しい。初めて見る勅使川原三郎さんの踊りは、あまりにも素晴らしくて、ため息が何度も出てしまいました。見ているこちらの身体まで、少し温度が上がったような感じ。ひたすら身体を目で追うことが快感になる。 気持ちよくて、いつまでも続いてほしい時間。

曲がバッハにかわり、佐東利穂子さんのダンス。 長い四肢が、しなやかというにはやわらかく、やわらかというにはしなやかで、あまりに美しい動きを描き出していく。 指先が軌跡を描き、身体が光ってるんじゃないかと思う。 生命が身体中からあふれ出ているよう。これを踊りきったら死んじゃうんじゃないだろうか、と思いながらその生命の美しさに見入る。 美しくて、また、ため息が出る。 なぜだか奥入瀬渓流の自然の風景が重なりました。

そしてまた、唐突にマンボ! 本当にどうなっているのでしょう、あの身体は。 筋肉や細胞を制御してるとかそういうレベルをこえて、もはや魂そのものが踊っているみたい。ダンサーの身体は、そのものがその人の人生であり、今この目の前にある身体こそがその最前線。(ダンサーに限らずきっとそうなんだけど)それを目撃することが感動でした。

ああ、気持ちいい。海の中をただよう海藻の動きを、いつまでも飽きずに見ていられるような、そんな感覚で。 再びバッハ、マンボが何度か交互に入れ替わる。 なんというか、人間の身体は、研ぎ澄まされるときっと神が宿るんだ。身体が神々しい。しまいには、お酒に酔ってるような気分になってくる。 それは恍惚と、口をぽけーと開けて、ため息をつきながら、ふたりの身体に見入っていました。

この感動は、なんだろう。奥入瀬の木々や川の流れを見たときのような、風が頬をなでる気持ち良さのような、 あるいは、葉脈や細胞壁など、ミクロで有機的な構造の美しさに触れた時の不思議な感動のような。 なんともいえないけれど、ただ、美しさに感動する、幸せな時間でした。

最後のトークでは、カラス・アパラタスという場所について、そして今後の活動についての思いなどを聞くことができ、さらに期待が膨らみました。Wikipedia先生に聞いてみたところ、1953年生まれで今は61歳とのこと。これから更にすごくなっていきそう!!

おわりに

絵画や彫刻とは違い、ダンサーの肉体は同時代に生きていなければ見ることはできないもの。だからこそ、この舞台を見れたことに特別な気持ちを感じました。乗越たかおさん、ありがとうありがとう。心から感謝です。

とにかく、ふたりのダンサーの身体の強靭さには驚かされました。 ダンサーって、人の身体ってここまでいけるんだ。 うまいとかじゃなく、もう格が違う。 こんな素晴らしいものが荻窪で年100回以上も公演しているなんて! そして、こんな素晴らしいものを2500円で見られるなんて!!ていうか2500円で見ていいの!お得すぎです。毎回は無理でも、定期的に見に行きたい。

ああ、初めての勅使河原さん、見に行ってよかったです。 また、佐東さんもあまりにも素晴らしいダンサーだったので、今まで知らなかったことをもったいなかったと思いました。世の中にはまだまだ私が知らない、素晴らしいダンサーがごまんといるんですね。これから出会うのが楽しみ!

覚書:勅使川原三郎さん

バレエ、マイム、彫塑が出発点とのこと。彫塑って、パフォーマンスではなく立体作品をつくることだよね…?なぜ彫塑が経歴に入っているのかしら、と思ったら、舞台美術や照明などを含めた演出まで、総合的な才能の持ち主なんですね。だからかな?大きな劇場での作品も見てみたいな。

HP 勅使川原三郎 KARAS オフィシャルサイト

Twitter KARAS APPARATUS (@karas_apparatus)

映像


勅使川原三郎 「リユニオン~ゴルトベルク変奏曲」の練習風景。 - YouTube

 


LJF2012 勅使川原三郎(ダンス) 庄司紗矢香(ヴァイオリン) - YouTube

(映像はとっても良い記録なんだけど、やっぱり生で見るのとは全く違うなー。。お財布と時間がゆるす限り、実物を見に行かなくては!)